微細繊維が付加された糸を使用した布及び織物の生成フレームワーク
投稿者: 藤代 一成 投稿日:
池田 泰成,都甲 裕太朗,藤代 一成
芸術科学会論文誌,Vol. 17,No. 5,pp. 126―138,2018年12月15日
Abstract
糸は織物や編物,衣服を構成するために必要であり,現実的なシーンを表現するために不可欠な素材である.これまでに開発された糸の生成手法は,主としてボリュームベースと繊維ベースの二種類に分類できる.近年の先進的な手法により,CGにおける糸の表現力は劇的に向上し,なおかつその生成に必要なコストも減少した.しかし,糸の周囲に生える毛羽立ちや装飾を目的とした糸の生成プロセスは,未だに挑戦的な課題である.特に,表面の毛羽立ちが独特な形状をもつパイル織物や,装飾を施した編物を制作する際に使用されるシェニール糸は,タオルや車のシート地,衣服など生活のあらゆる場所で使用される一般的な素材であるにもかかわらず,その構造の複雑性からモデリングが困難である.加えて,既存手法では一本の糸の生成プロセスに注目しているが,その糸を使用した大規模な織物や布の生成フレームワークについては,筆者らの知る限り提案されていない.これらの課題を解決するため,本論文では既存のフレームワークを拡張することで微細繊維をもつ糸の生成に対応するとともに,この糸から自動的に織物や布を生成する手法を提案する.
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