宝石として用いられるオパールの多くは遊色効果とよばれる光学特性をもち,虹色の模様を発現する.ダイヤモンド,ルビー,サファイヤなどの宝石の大半は単結晶または多結晶であるのに対して,オパールは非晶に分類され,複雑な内部構造をもつ.そのためオパールの内部構造の再現には,計算資源の制約のもとで,遊色効果を再現するために必要十分な空間スケールでのモデリングが必要である.本研究は,オパールの内部構造を三次元ボロノイ分割を用いてモデリングすることで,結晶学に基づいた遊色効果の模様を再現する.ボロノイ図の特性に着目することで,既存の研究と比較して空間計算量を大幅に削減する.さらに,オパールを構成する粒子の粒径や,粒子内に含まれる不純物による光の散乱および吸収係数,回折格子の傾きといった4種類のパラメタの調整によって,オパールの汎用的なモデリングが可能であることを示す.
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