スペクトル楽派の作曲家を対象とした音響加工過程に関する視覚分析手法の提案

投稿者: 藤代 一成 投稿日:

高倉 優理子中山 雅紀,小島 有利子,藤代 一成

音楽情報科学研究会(MUS)(ポスタ発表),お茶の水女子大学(東京都文京区), Vol. 2017-MUS-115,No. 36,pp. 1―6,2017年6月17日―18日

Abstract

20 世紀以降音響技術の発展に伴い,電子音響が広く音楽作品に採り入れられるようになった.現代音楽を代表する潮流の一つに,1970 年代以降フランス発展し,音響分析を創作の基盤とするスペクトル楽派がある.この楽派の作曲家は,その創作過程において音響のスペクトル解析を通じて音素材の音響特性を追究するという特徴をもつ.彼らが利用する音響分析 / 加工 / 合成システムの一例として,フランスの国立機関 IRCAM が開発した AudioSculpt とよばれるソフトウェアが挙げられる.本研究では,このソフトウェアで音素材をスペクトルに分解した後に,各種のフィルタ効果を重畳して独特の音響を構成する過程を,作品の時間進行と作曲行程の 2 本の時間軸を用いて表現し,その画素指向空間基盤上の専用対話操作群によって分析する随伴ソフトウェアを開発した.本研究は音楽可視化の分野において初めて創作過程の出自管理を試みたものであるといえる.

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カテゴリー: 国内2017発表

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