往来者位置に合わせた大型ディスプレイ広告の形状・レイアウトの適応的変更

投稿者: 藤代 一成 投稿日:

長尾 建,Kwan-Liu Ma,藤代 一成

画像電子学会誌,Vol. 46,No. 1,pp. 176—188,2017年1月

Abstract
大型ディスプレイによる映像表示には,その表示コンテンツを見る人の立ち位置によって,その視界に映る表示コンテンツの形状が歪んでしまうという問題が存在する.これは,表示コンテンツを理解する際に大きな妨げとなる.特に大型ディスプレイが電子看板広告として利用される際,その歪みは広告効果に大きな悪影響を及ぼす.さらに,多くの往来者は最初から電子看板広告に対して関心を抱かずに横切るため,既存研究での主な解決策である「視聴者の能動的な適切な位置への移動」という行動を要求できない.本研究では,この問題に対して,往来者に能動的な「適切な位置への移動」を要求することなく,即時的に歪みの少ない映像を提供する手法を提案する.具体的には,大型ディスプレイの前の往来者の位置を認識し,表示コンテンツがその位置に正対するよう実空間で回転したように見える表示コンテンツの形状とそれに合わせたレイアウトの最適化を実現する.本研究では,本手法にもとづく大型ディスプレイ広告システムを構築し,設置現場における往来者の位置の認識の精度評価,シミュレーションによる各往来者の視界に映る表示コンテンツの歪みの低減の評価,そして被験者実験による広告効果への影響の評価を行い,その有用性を示した.

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カテゴリー: 国内2017学術誌

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