糸の微細構造を考慮した細かな毛羽立ちをもつパイル織物の生成手法

Published by Issei FUJISHIRO on

Yasunari Ikeda, Yutaro Togo, Issei Fujishiro

in Proceedings of NICOGRAPH 2017, pp. 102—109, November 10―12, 2017

Abstract
コンピュータグラフィックス(CG)において糸を細部まで忠実に再現することは,困難な課題として知られている.糸は織物や編み物,衣服を構成するために必要であり,現実世界を仮想空間に再現するために不可欠な素材である.これまでに開発された糸の生成手法は,ボリュームベースと繊維ベースの二種類に分類できる.近年提案された繊維ベース手法では,糸の断面を CT スキャンし,その細部を精密に表現している.近年の先進的な手法により,CG における糸の表現力は劇的に向上し,なおかつその生成に必要なコストも減少した.しかし,糸の周囲に生える毛羽立ちの生成プロセスは,未だに挑戦的な課題である.特に,表面の毛羽立ちが独特な形状となるパイル織物は,タオルや車のシートなど生活のあらゆる場所で使用される一般的な素材であるにも関わらず,既存のフレームワークでは表現が不可能である.加えて,上述した繊維ベース手法では糸の生成プロセスに注目していたが,その糸を使用した織物の生成フレームワークについては,筆者らの知る限り未だに提案されていない.これらの課題を解決するため,本論文では既存のフレームワークを拡張することでパイル繊維をもつ糸の生成に対応するとともに,この糸から自動的にパイル織物を生成する手法を提案する.

Publication page in 2017 is here


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