概要
手描きアニメではシーンの演出意図に応じて対象物の詳細度を変化させます.ここでの詳細度とはポリゴンの数に限らず,色や線の太さ,影の段階数や形状の抽象度合いなど,デザインとして利用されるさまざまな情報の量のことをさします.
例えば,重要度が高い主人公などのキャラクタほど詳細度も高く描かれることがあります.また,カメラに近い対象内部の詳細度変化を大きく描くことがあります.さらに,小さいキャラクタは大きいものに比べて詳細度を落として描かれることがあります.これらの要素ををそれぞれ,存在比重,立体感誇張,サイズ感とよぶこととします.

詳細度変化を用いた映像表現の例.
アニメに様式化された詳細度(アニメ詳細度)を適切にデザインすることで,特定の対象を強調したり,奥行きを誇張したりすることができます.よって,3DCGでもこの技法を取り入れることで魅力的な絵作りができると考えます.しかし,アニメ詳細度の制御は熟練クリエイタの職人技に任されてきており,これについての研究や議論は十分にされてきていません.そこで,本研究ではアニメ詳細度を制御する手法の構築を目指します.

提案手法を用いて作成した結果画像.
メンバ
背景色が灰色のメンバは現在はプロジェクトに関わっていないメンバです。現在も藤代研究室に所属しているメンバは名前の前に藤代研のアイコンがついています。
名前 | 現在の所属 | ホームページ |
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![]() | 慶應義塾大学 |
業績
下線が引いてある著者は藤代研究室所属している/所属していたメンバーです。
発表
発表(査読なし)
- 青野 誠大,藤代 一成:「セルルックアニメ制作に向けた詳細度制御モデルの提案」,映像表現・芸術科学フォーラム2025予稿集(映像情報メディア学会技術報告,Vol.49,No.10, pp.377–380,AIT2025–146)東京工芸大学中野キャンパス(東京都中野区),2025年3月10日,優秀ポスタ発表賞・企業賞(StudioGOONEYS)受賞
- 青野 誠大,藤代 一成:「セルルックアニメ制作のための詳細度制御モデルの提案」,情報処理学会第87回全国大会(立命館大学),6S–07 (講演論文集(2), pp. 503–504),2025年3月15日,学生奨励賞 受賞
資金
挑戦的研究 (萌芽) :23K18468 (2023-)