概要
コンピュータグラフィックスにおけるコンポジットとは,複数の視覚的要素を併合して1枚の画像を生成する技術をさします.コンポジットの基本原理は視覚的要素の分離であり,これによって,異なるシーンの要素同士を組み合わせて新しい画像を生成することが期待できます.その一方で,分離された視覚的要素を併合することは,視覚的整合性を失う可能性があります.
写実性を高める重要な因子の1つに大域照明効果があります.大域照明効果とは,物体間の相互反射,散乱,屈折などによって生じる照明効果をさし,視覚的整合性に強く影響します.大域照明効果は要素間の作用によって生じるため,コンポジットで大域照明効果を再現することは一般に困難であると知られています.
本課題では,ディジタル画像コンポジットにおいて大域照明効果を再現することを目指しています.そして,高臨場感動画像/AR (Augmented Reality) コンテンツへ応用されることを期待しています.
メンバ
名前 | 現在の所属 | ホームページ |
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大河原 将 | 慶應義塾大学 |
業績
学術誌
国際学術誌
- Masaru Ohkawara, Issei Fujishiro: “Illumination-aware group portrait compositor,” The Visual Computer, Vol. 38, No. 12, pp. 4009—4018, December 2022 (online first: May 20, 2022). [doi: 10.1007/s00371-022-02508-z]
会議録
国際会議録
- Masaru Ohkawara, Issei Fujishiro: “Illumination-aware digital image compositing for full-length human figures,” in Proceedings of the 2021 International Conference on Cyberworlds, pp. 17—24, 2021 [doi: 10.1109/CW52790.2021.00011].
- Masaru Ohkawara, Issei Fujishiro, “Realizing pseudo color bleeding with a deep composite image (poster)”, in Proceedings of the 2019 International Conference on Cyberworlds, pp. 382—383, 2019 [doi: 10.1109/CW.2019.00072].
シンポジウム
国内シンポジウム
- 大河原 将,藤代 一成:「大域照明を考慮した人物全身のディジタル画像コンポジット」,Visual Computing 2020(オンライン開催),2020年12月 企業賞(サイバーエージェント賞)
発表
国内発表
- 大河原 将,藤代 一成:「遠隔社会におけるグラフィックスパラダイム」,FIT2022,CI-001,2022年9月
その他
- 藤代 一成,石飛 晶啓,大河原 将:「フォトリアルなサイバー空間構築を支えるCG技術」,KEIO TECHNO-MALL 2020(第21回慶應科学技術展),No. 51,オンライン開催,2020年12月18日
資金