概要

近年、バーチャル空間上で開催されるライブエンタメコンテンツ(以下、バーチャルライブ)が注目されています。バーチャルライブは非現実的なエンタメ体験の創出、映像表現による演出の強化、鑑賞における時空間的制約の緩和といった様々な可能性を秘めています。

本研究では、バーチャルライブの中でも特にオフラインのVR体験を取り扱います。

バーチャルライブにおいて解決すべき課題の一つは、群衆的な熱狂感の提供方法です。

社会心理学における熱狂感の分析によると、現実のライブ体験では周囲の観客と一緒に盛り上がることで社会的感覚が発生し、熱狂的体験へと発展します。一方、バーチャルライブでは描画リソースや通信の制約により、大量の視聴者を同時に描画することが困難です。周囲の観客が存在しないことで、ライブ体験のエンゲージメント(満足感)は致命的に低下する可能性があります。

そこで本研究では、現実の観客を代替するNon Player Character (NPC) の合成に取り組み、熱狂感のあるバーチャルライブの実現を目指します。実際の観客の心理状態を模倣するため、情動に基づく心理的相互作用(感情伝染)とライブ音楽から受ける心理的影響を計算し、パフォーマンス中のNPCの応援行動を制御します。

また、合成されたNPCの心理的な影響を確認するため探求的な実験を実施し、バーチャルライブにおける視聴者の心理的影響を分析します。

メンバ

背景色が灰色のメンバは現在はプロジェクトに関わっていないメンバです.現在も藤代研究室に所属しているメンバは名前の前に藤代研のアイコンがついています.

名前現在の所属ホームページ
石貫 雄大慶應義塾大学

業績

下線が引いてある著者は藤代研究室所属している/所属していたメンバーです.

発表

  1. 石貫 雄大藤代 一成:「バーチャルライブにおける同調的な観客NPCの合成による熱狂感の実現」,映像表現・芸術科学フォーラム 2024 予稿集(映像情報メディア学会技術報告,Vol. 48,No. 8,pp. 127–130,AIT2024–68), 東京工科大学,ハイブリッド開催,2024年3月5日
  2. 石貫 雄大藤代 一成:「熱狂感を増幅するリアクティブな観客NPCの生成」,情報処理学会第86回全国大会講演論文集(4),pp. 529-530(7ZG-07),神奈川大学,2024年3月17日

受賞

国内受賞

  1. 石貫 雄大中西奨励賞,慶應大学理工学部情報工学科 卒業研究, バーチャルライブにおける同調的な観客NPCの合成による熱狂感の実現,2024年3月25日
  2. 石貫 雄大藤代 一成学生奨励賞,情報処理学会第86回全国大会,熱狂感を増幅するリアクティブな観客NPCの生成,2024年3月17日受賞
  3. 石貫 雄大藤代 一成優秀発表賞(口頭発表),映像表現・芸術科学フォーラム 2024, バーチャルライブにおける同調的な観客NPCの合成による熱狂感の実現,2024年3月5日受賞

資金

  1. 挑戦的研究(萌芽):23K18468 (2023―)

チームページに戻る