概要

現代社会では,大型施設での大型タッチパネルディスプレイによる広告や案内マップが多く見られます.しかし限られた画面のなかで,視距離の異なる複数のビューアに対し,同時にかつ円滑に,それぞれに適した情報を提示し続けることは困難です(図1).

図1 デジタルサイネージでの問題点.近くの人が詳細情報を表示させてしまうと,遠くの人は概要情報が見えなくなってしまう.

そこで,本研究ではハイブリッドイメージ(図2)を用いたデジタルサイネージコンテンツ表示手法を提案します.ハイブリッドイメージとは,異なる視距離で異なる解釈ができる画像のことです.この仕組みを利用し,本研究では遠近で異なる情報を同時に提供するデジタルサイネージコンテンツを作るための編集ツールHYDRO(HYbrid image Display Resolutions Optimizer)の開発を行っています. 

図2 ハイブリッドイメージ

HYDROには二つの最適化機能を実装しており,一つは近距離ビューアへ見せるウィジェット(ボタン)の配置最適化機能,そしてもう一つは指定した距離で画像の切り替わりが起こるように設定する解像度最適化機能を備えています(図3).さらに,HYDROで制作したコンテンツを用いて評価実験を行い,その効果を検証しました.

図3 HYDRO(HYbrid image Display Resolutions Optimizer)のインタフェース

HYDROとSAM(Smart Ambient Media)

HYDROはユーザによるタッチパネル操作,または設定によりユーザが求める状態を出力し,ユーザへ提示するという流れをもつ.つまりSAMのコアコンセプトであるHuman-in-the-Loopの流れをもつため,SAMに位置づけられています.

メンバ

背景色が灰色のメンバは現在はプロジェクトに関わっていないメンバです. 藤代研究室に所属しているメンバは名前の前に藤代研のアイコンがついています.

名前所属ホームページ
内野 花梨(2021.3修士修了)慶應義塾大学
中山 雅紀慶應義塾大学
長尾 建慶應義塾大学

業績

下線が引いてある著者は藤代研究室所属している/所属していたメンバです.

学術誌

  1. Masanori Nakayama, Karin Uchino, Ken Nagao, Issei Fujishiro: “HYDRO: Optimizing interactive hybrid images for digital signage content,” to appear in Virtual Reality and Intelligent Hardware (Special issue of CG International 2022), December 2022 or February 2023.

発表

  1. 内野 花梨中山 雅紀藤代一成:「HYDRO:大型タッチパネルディスプレイを想定したハイブリッドイメージ広告の生成 」,画像関連学会連合会第6回秋季大会,京都工芸繊維大学60周年記念館,2019年10月31日―11月1日
  2. 内野 花梨中山 雅紀藤代一成:「大型ディスプレイ向きハイブリッドイメージ広告のオーサリング」,情報処理学会第 81 回全国大会,Vol. 4,pp. 177―178,福岡大学 七隈キャンパス(福岡県福岡市),2019年3月14日―16日 🏆学生奨励賞
  3. 内野 花梨中山 雅紀藤代一成:「HYDRO:大型ディスプレイ向きハイブリッドイメージ広告作成ツール 」,映像情報メディア学会技術報告,Vol. 43,No.9,pp. 277―280,早稲田大学 西早稲田キャンパス(東京都新宿区),2019年3月12日

資金

  1. 挑戦的研究(開拓):20K20481 (2019―)
  2. 基盤研究(A):17H00738 (2017―2019)

チームページに戻る