概要

近年,コンピュータグラフィックスによる流体のビジュアルシミュレーションはさまざまな映像作品に用いられています.流体を写実的に表現するだけでなく,映像の内容や演出などにあわせて非写実的に振る舞う流体も表現されます.しかし,非写実的に振る舞う流体を実現するには,流体らしさを維持しながら,期待通りの動きをするようにシミュレーションのパラメータを制御する必要があります.そのため,流体の表現を行うユーザには数値流体力学の詳細な知識が求められます.

本研究では、流体シミュレーションおよび流体制御に用いるパラメータ調整を、特定のモーションデータに対応させた直接操作によって直観的に流体の挙動を制御します.Leap Motionによって両手のモーションデータのを取得後,特定のモーションデータをジェスチャとして識別し,3次元空間内でジェスチャに応じた流体シミュレーションを実行します.

3次元流体シミュレーションに対する本システム

これにより,数値流体力学の詳細な知識を必要とせず,3次元流体の形状を意のままに制御することができます.

本研究では,2Dと3Dのシステムが存在します.2次元流体シミュレーションでは粒子法ベースの流体シミュレーションとしてSPH法を用い,3次元流体シミュレーションではPIC/FLIP法を用いています.

3Dに対する本システムにてジェスチャで制御できるコマンドリストとコマンド選択階層

ビデオ

業績

下線が引いてある著者は藤代研究室に所属している/所属していたメンバーです。

発表(査読あり)

  1. Yuto HayakawaIssei Fujishiro:”2D fluid shape design by direct manipulation,” in Proceedings of the 5th IIEEJ International Workshop on Image Electronics and Visual Computing (IEVC2017), 3B–2, Da Nang, March 2017.
  2. 早川 雄登藤代 一成:「直接操作による2次元流体の簡易形状設計」(ポスタ),NICOGRAPH2016予稿集,pp. 115–116,富山大学,2016 年11月.

発表(査読なし)

  1. 早川 雄登藤代 一成:「直接操作による3D流体シミュレーションの制御」, 情報処理学会研究報告,Vol. 2017–CG–168,No. 24,北海道大学,2017年11月.
  2. 早川 雄登大野 義夫藤代 一成:「直接操作による流体挙動の制御」,情報処理学会第78回全国大会,慶應義塾大学矢上キャンパス,5X–04(講演論文集(4), pp. 185–186),2016年3月.(早川は学生奨励賞受賞)

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