概要
世界中で大きな問題となっている大気汚染の原因である黄砂やPM2.5といった粒子は,大気エアロゾルとよばれています.それらの物質は人間の健康に影響を与えるだけでなく,日常の風景の見え方,特に視程に大きな影響を及ぼします.現実世界では,視程は飛行機といった交通に大きな影響を与えるため,気象庁によって目視での視程測定が行われてきました.しかし,目視による測定では正確性に欠ける部分があるため,コンピュータ上で視程変化を再現することには大きな意義があります.
また,黄砂やPM2.5の分布を推定するために,Polarization Optical Particle Counter(POPC)による粒子の測定が行われています.POPCでは,粒径,粒子数,粒子の偏光特性を測定し,粒径と偏光特性から粒子の組成を人為起源粒子,鉱物粒子,海塩粒子の3種類に分類します.
本研究では,POPCで測定された粒子組成と粒子数から,空気中の大気エアロゾルによって光が散乱または吸収される割合である消散係数を計算し,視程変化の再現を試みています.

4種類の粒子組成分布から視程を可視化した結果を示します.
粒子組成分布によって見えが異なることが確認できます
メンバ
背景色が灰色のメンバは現在はプロジェクトに関わっていないメンバです。現在も藤代研究室に所属しているメンバは名前の前に藤代研のアイコンがついています。
業績
下線が引いてある著者は藤代研究室所属している/所属していたメンバーです。
発表
発表(査読なし)
- 大貫 誉,小林 拓,横田 壮真,藤代 一成:「大気エアロゾル粒径分布を考慮した視程変化の再現」,情報処理学会第87回全国大会(立命館大学,ハイブリッド開催),5S-01 (講演論文集(2), pp. 473―474),2025年3月14日
資金
基盤研究 (A) :21H04916 (2021-)