概要

シェルマッピングは,既存の三角形ポリゴンを法線方向に押し出して得られる三角柱 (プリズム)に,三次元のテクスチャ空間を一対一にマッピングすることで,サーフェイスの微細な構造を表現する手法です. ディスプレイスメントマッピングと比較すると,凹凸以外に三次元の幾何学的形状を微細な構造として定義できるため,より複雑な表現が可能になります.

本研究では,半透明なマテリアルや陰関数曲面に対応した自由度の高いシェルマッピングを行うため,テクスチャ空間にボリュームデータを導入します. 実装方法のひとつとして,プリズムを四面体に分割し,各区分で線形にテクスチャ空間をマッピングする方法が考えられますが,この方法では,四面体の境界部分でアーティファクトが発生してしまいます. この問題を解決するため,線形なレイをテクスチャ空間にマッピングし,テクスチャ空間で非線形なレイの走査を行います. また,階層的なボリュームデータである NanoVDB を用いることで,効率的なボリュームレンダリングを実現します.

レイと交差するすべてのプリズムでボリュームレンダリングを行う. プリズムとレイが交差したとき,入出点のパラメタを求め,Hierarchical Digital Differential Analyzer (HDDA) を実行する. これにより,吸収・発光現象を考慮したマテリアルを表現できる.

メンバ

藤代研究室に所属しているメンバは名前の前に藤代研のアイコンがついています.

名前 現在の所属 ホームページ
桑名 真結香 慶應義塾大学

業績

発表

  1. 桑名 真結香藤代 一成:「階層的ボリューム構造の非線形レイ走査による効率的なC^1連続のボリュームシェルマッピング 」(ロング発表)Visual Computing 2024(東京),2024年9月10–12日
    1. 桑名 真結香藤代 一成:「非線形レイを利用したボリュームシェルマッピング」情報処理学会研究報告(慶應義塾大学),Vol. 2024–CG–193,No. 10,pp. 1-6,2024年3月18–19日,学生発表賞
    2. 桑名 真結香藤代 一成:「非線形レイトレーシングを用いたボリュームシェルマッピング」,情報処理学会第86回全国大会(神奈川大学,ハイブリッド開催),1P–05 (講演論文集(2), pp. 169–170),2024年3月15日,学生奨励賞

    その他

    1. 桑名 真結香:「非線形レイを用いたボリュームシェルマッピング」,第2回Vision, graphics and sensing workshop(千葉大学),ポスタ発表,2024年4月19日

    資金

    1. 基盤研究(A):21H04916

    チームページに戻る