概要

映画・建築・デザインなどの分野では, きわめて写実性の高いCG画像が求められるため, 複雑な光の反射特性を考慮した大域照明が活発に利用されています. しかし, 大域照明計算で用いられる主流手法であるレイトレーシング法は, 経路積分を解く際にモンテカルロ法を利用しているため, 収束までに多数のサンプルが必要となり, 計算効率性が低いことが知られています. そこでアルゴリズムを改良し, 計算効率性を高めることは長年の研究課題となっています.

経路誘導(path guiding)は, 事前推定により求めた放射輝度分布を利用して分散の少ない効率的な経路を構築することで, 必要なサンプル数を削減する最適化手法です. 特にコースティクスを含むシーンなどでは経路誘導を用いることで既存手法と比較して大きく分散を低減することが可能であることが示されています.

ただし多数の光源を含むシーンでは, 各光源からの有効な寄与を得ることが困難であり, 分布推定に必要なサンプル数が大きくなる傾向があります. そこで本研究では, 既存研究ではあまり扱われていない多光源照明問題に対して, 適切な光源選択サンプリングと組み合わせることで経路誘導による分散低減効果を高める最適化手法を提案します.

メンバ

背景色が灰色のメンバは現在はプロジェクトに関わっていないメンバです。現在も藤代研究室に所属しているメンバは名前の前に藤代研のアイコンがついています。

名前 現在の所属 ホームページ
杉田 俊平 慶應義塾大学

業績

学術誌

[J-1] 杉田 俊平藤代 一成: 「GPU を用いた多光源大域照明レンダリングにおける経路誘導の効率化」,画像電子学会誌,Vol. 52, No. 1, pp. 193-204, 2023年1月

発表

[DP-1] 杉田 俊平藤代 一成: 「多光源大域照明レンダリングにおける経路誘導の効率化とその GPU 高速化」,画像電子学会第50回年次大会 (ゆめホール知床),S10-2,2022年9月2日

[DP-2] 杉田 俊平藤代 一成: 「経路誘導による多光源照明計算の効率化」,情報処理学会研究報告,Vol. 2022–CG–186,No. 5,pp. 1-6,2022年6月27日

[DP-3] 杉田 俊平 藤代 一成: 「経路誘導による多光源照明計算の効率化」,情報処理学会第84回全国大会(愛媛大学,ハイブリッド開催),6ZF-02(講演論文集(4), pp. 249–250),2022年3月5日

資金

    基盤研究(A):21H04916 (2021-)

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