研究室のプロジェクトページはこちら


経年劣化による塗膜の亀裂と湾曲 (博士論文研究)

研究時期・人数

2020.9~・3人

担当箇所

塗膜の湾曲と亀裂を表現するためのアルゴリズム考案と実装

使用ツール

Unity 2019.4.14f1

手法の概要

湾曲の表現

位置ベース動力学 (PBD) を導入することで徐々に曲がる様子を再現する.

破壊力学的に基づく亀裂

亀裂先端では応力集中が発生し,亀裂が伸びやすくなっている.このことを踏まえて亀裂の方向を考慮することで自然な亀裂を表現する.

業績

  1. 石飛 晶啓中山 雅紀藤代 一成:「Visual simulation of crack and bend generation in deteriorated films coated on metal objects: Combination of static fracture and position-based deformation」,招待講演,Visual Computing 2023 発表予稿集,芝浦工業大学豊洲キャンパス,2023年9月17日―20日 (予稿)
  2. Akinori IshitobiMasanori NakayamaIssei Fujishiro: “Visual simulation of crack and bend generation in deteriorated films coated on metal objects: Combination of static fracture and position-based deformation,” The Visual Computer, Vol. 39, No. 8 (Special issue of CGI2023), pp. 3403–3415, August 2023 [doi: 10.1007/s00371-023-03029-z]. (Preprint/DemoMovie)
  3. 石飛 晶啓中山 雅紀藤代 一成:「経年劣化に伴う金属物体上の塗膜の亀裂・湾曲表現—静力学的破壊判定と位置ベース変形による準静的過程のビジュアルシミュレーション—」,Visual Computing 2022 発表予稿集,pp. 2:1―2:6,国立京都国際会議場,2022年10月6日―8日,VC論文賞 (2nd prize)CGVI優秀研究発表賞CGVI学生発表賞,IPSJ山下記念研究賞 (ビデオ/予稿/ポスタ)

曲面上塗膜の経年劣化 (修士論文研究)

プレゼンテーション動画
デモムービー

研究時期・人数

2019.4~2020.9・3人

担当箇所

曲板対応モデルの考案と全般的な実装

使用ツール

Unity 2018.3.12f1

手法の概要

亀裂の表現

ポリゴン内部には水平方向の張力が設定されており,徐々に強まっていく.これが一定値以上になると稜線は断裂する.

両端の頂点を分割して移動させることでメッシュに穴をあける.

曲面への適用

ポリゴンのなす角に比例して,半稜線が頂点にかける揚力が大きくなるようにする.これによって,現実世界の塗膜同様に,凸部分の方が剥離しやすくなる.

流れ錆

頂点カラーを利用して剥離箇所から流出する錆を表現する.曲面への対応のため,面に沿って下方向に伝搬するように設定する. 

曲面への適用

物体の下部ほど,塵が堆積しやすいため,塗膜が黒ずむように設定する.また,上を向いている面,溝になっている箇所でも特に黒くなるようにしている.

業績

  1. 石飛 晶啓中山 雅紀藤代 一成:「Visual simulation of weathering coated metallic objects」,招待講演,Visual Computing 2020 発表予稿集,pp. 15:1―15:4,オンライン開催,2020年12月2日―4日 (予稿)
  2. 藤代 一成石飛 晶啓大河原 将:「フォトリアルなサイバー空間構築を支えるCG技術」,KEIO TECHNO-MALL 2020(第21回慶應科学技術展),No. 51,オンライン開催,2020年12月18日 (石飛作成分資料:ビデオ/ポスタ)
  3. Akinori IshitobiMasanori NakayamaIssei Fujishiro: “Visual simulation of weathering coated metallic objects,” The Visual Computer, Vol. 36, No. 10 (Special issue of CGI2020), pp. 2383―2393, August 2020 (online publication) [doi: 10.1007/s00371-020-01947-w]. (Preprint/DemoMovie/Presentation)

平板上塗膜の経年劣化 (学士論文研究)

研究時期・人数

2018.10~2019.3・3人

担当箇所

剥離アルゴリズムの考案と実装

使用ツール

Delphi 10.2.3.93231

手法の概要

メッシュ構造

ポリゴンメッシュを変形することで塗膜の劣化を表現する.メッシュ構造にはハーフエッジ構造を採用し,三角面,頂点,半稜線でメッシュを構成する.ポアソンディスク分布に従って頂点を配置する.

剥離のアルゴリズム

半稜線は向かい側にある頂点を剥がすように力を加え,一定以上の力を受けた頂点は基板から分離する.全頂点が分離した面は削除される.

現実世界において,塗膜の劣化と基板の劣化は相互作用しながら進行していく.剥離が進行すると外気が基板に接触しやすくなり,基板の劣化も促進される.これを再現するため,剥離箇所の周辺ほど頂点が分離しやすく,剥離が促進されるようにする.

業績

  1. Akinori IshitobiMasanori NakayamaIssei Fujishiro: “A deformation method for simulating coating degradation while taking mechanical behavior into account,” 2019 International Conference on Cyberworlds (CW), Kyoto, Japan, October 2―4, 2019, [doi : 10.1109/CW.2019.00066]. (Preprint/Movie/Poster)
  2. 石飛 晶啓中山 雅紀藤代 一成:「経年劣化による塗膜剥離のビジュアルシミュレーション」,情報処理学会第81回全国大会講演論文集(4),pp. 125―126(2ZC-08),福岡大学七隈キャンパス(福岡県福岡市),2019年3月14日―16日,学生奨励賞受賞 [情報処理学会電子図書館